『ヴァニタスの寓話』出展作品


 本日6/3からはじまる『ヴァニタスの寓話』の作品紹介です。

 

『苗床』 (2022年制作)

 かつての持ち主はとうにいなくなり、もはや朽ちてゆくだけの片方のみの靴。そこにコルリの番が巣を作り、新たな命が息づく。

 生きとし生けるものは皆いつか土へと還り、新らしく生まれくる命の種となる。そんな命の巡りや、生の輝きを表現した作品です。


 前回の公募展『散る頃に』に出展した『白鴉』に引き続き、二回目の鳥制作です。

 コルリという鳥を題材にしています。雌は茶色がかったちょっと地味な色合いなのですが、雄はとても鮮やかな藍色の綺麗な鳥です。大きさはスズメと同じくらいで、綺麗な色の卵を生みます。実際はもっとくっきりした深い藍色なのですが、作品全体のトーンには強すぎるので、今回はあえて淡い色合いにしています。


 羽根の造形や羽ばたく体の動きなど、とても難しく何度手が止まったかわかりません。ですが、コルリの番いが美しい色の卵を守りながら見つめ合う一瞬を切り取れたのではないかと思っています。


〈作品概要〉

主な材料:石塑粘土、金属、木材、スワロフスキー、樹脂パール、モス、アクリル絵の具他

サイズ:高さ250×幅170×奥行150cm

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